ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2018年7月6日更新
Q.541 RoHS指令の不使用証明書について教えてください。副資材として使用するテープを切断するハサミなどの生産プロセスにおいて使用される工具についても不使用証明書は必要でしょうか。

EU RoHS(II)指令においては含有制限物質の非含有はEU市場に上市される製品のみに適用されます。
 ご質問にあります副資材として使用するテープを切断するハサミなどの生産プロセスにおいて使用される工具類や副資材などについてはRoHS含有制限物質の非含有は直接的に要求されていません。

これに関連しましては、2012年12月12日にEU環境総局から発表されたRoHS2FAQ1)の9.7に、ご質問に関連するQ&Aがあります。

Q9.7 Do the substance restrictions apply to the production process?
No. The restrictions only apply to finished EEE. The restricted substances may therefore be used in the production process, as long as they do not violate other regulations and the finished EEE does not contain the substance above the maximum concentration values.

(回答者訳)
(Q9.7 物質の使用制限は、製造プロセスに適用されるか?
いいえ、使用制限は、完成EEEにのみ適用される。それゆえ、生産プロセスがそのほかの規制に違反していなく、かつ、完成EEEが最大許容濃度を上回る制限物質を含有していない限り、制限物質は完成EEEの製造プロセスで使用されても構わない。)

ご質問の内容からサプライチェーンの川中に位置する企業であると推測いたします。
 その場合の対応としては完成EEEの部品加工時や組立時に使用される工具類および洗浄液などの使用工程をリスクベースで管理することが結果的にRoHS対応になるものと考えます。
 例えば、一般的な生産設備や工具の使用による汚染や移行などのリスクは低いので特段の管理は不要です。
 しかしながら、例えば、めっき設備などはめっき液に六価クロムを使用していますので、めっきした部品などには六価クロムの残留リスクが高いので十分な洗浄工程を入れるなどの品質管理を徹底することが必要になります。
 また、鉛フリーはんだは、鉛を500ppmほど含有しています。はんだは合金ですので、部分的に鉛が集中(偏析)する場合があります。設備管理により偏析リスクは下がります。
 このように、作業場で使用する生産設備、冶具や工具自体は、RoHS指令の適用範囲外ですが、作業のアウトプットである製品に、RoHS指令の規制物質を含有させてはならないのは当然です。

ご質問の順法宣言の方法ですが、非含有証明は測定データを伴う場合は適切ですが、生産工程での規制物質の混入、移行は非意図的であり、測定での保証には限界があります。
 したがって、非意図的な規制物質の混入、移行を防止する管理状態しておくことが必要となります。
 すなわち、作業管理や調達品管理は、規制物質混入、移行を仕組みで保証することになります。
 ただ、これは新たな考え方ではありません。
 企業は自社製品の品質保証を宣言し、その根拠としてマネジメントシステム(ISO9001など)を掲げます。
 品質保証は、従来の検査による保証から仕組みで保証するということが当たり前に実施されています。

工具管理もその一環であり、顧客には、上記の観点からRoHS指令の順法管理に取組んでいることを説明するのがよいと思います。

1)http://ec.europa.eu/environment/waste/rohs_eee/pdf/faq.pdf

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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