ここが知りたいRoHS指令

ここが知りたいRoHS指令

電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介

Q
EU2017年1月6日更新
Q.497 日本本社で製作した特定製品専用の製造設備を自社グループの欧州工場に輸出する場合、RoHS指令の対象となりますか?

RoHS指令は上市された電気電子機器に適用されます。
 改正前のRoHS指令のFAQにおいて、「RoHS指令は、上市(put on the market)される製品にのみ適用されます。自身の使用のため(for own use)に製造された製品は、指令の適用範囲から除外されます」と記載されています。
 上市については、「put on the market」と記載されていたものが、改正RoHS指令(以下、RoHS(II)と称します)では「placing on the market」に用語が変更となっています。この用語変更に伴う上市の定義は変わっていないことは、「ここが知りたいRoHS指令Q.293」を参照し、ご確認お願いします。
 「placing on the market」と「for own use」に関する説明は、2016年7月26日に発行された「EU製品規則2016の実施に関するブルーガイド」1)の「2.3 PLACING ON THE MARKET」に記載されています。同ガイドでは、自身の使用に関する上市の説明として、次の2点が挙げられています。

  • 自分自身の使用のために製造された製品は、上市には該当しない
    但し、その製品は、その製品が適用される他のEUの法律、例えば機械指令などは適用される
  • 上市には、2者以上の法人または自然人の間で、製造段階が生じた後の当該製品の所有権などの譲渡に関する申出や契約(口頭または書面)が必要である。所有権の譲渡は、有償でも無償でもあり得る。所有権の譲渡は、製品の物理的な引き渡しを必要としない

ご質問のように、貴社がEU域内の自社グループの工場に向けて特定製品専用の製造設備を輸出する場合は、貴社と自社グループの工場で法人が異なり、所有権譲渡の何かしらの契約が発生する場合には、一般的には製品の上市に該当し、製造設備はRoHS指令の対象となるものと考えます。
 但し、製造設備に関する契約や貴社とEU域内自社グループとの資本関係によっては、上市には該当しない可能性もありますので、法務部門や輸出管理部門に確認されることをお勧めします。
 なお、ご質問の特定製品専用の製造設備は、RoHS(II)指令の対象除外品の「産業用大型固定工具」(第2条4項d)と「大型固定据付装置」(第2条4項e)に該当する可能性があります。該当するかどうかの判断をされる際には、「ここが知りたいRoHS指令」のコラム「EU RoHS(II)のFAQから-大型の定義を巡る解釈-」をご参照願います。貴社の製造設備が、これらに該当すれば、上記でご説明した上市の該非に関係することなく、RoHS(II)対象外製品となります。

1)http://ec.europa.eu/DocsRoom/documents/18027

当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

情報提供:一般法人 東京都中小企業診断士協会

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