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ここが知りたいRoHS 指令

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17.04.21

殺生物性製品委員会による活性物質と製品型式の組合せ支持意見の採択

欧州化学品庁(以降「ECHA」)は、3月7 日に殺生物性製品委員会(以降「BPC」)が防腐剤(preservatives)および防虫剤(repellants)として殺生物性製品に使用する3種の活性物質の承認を支持する意見および抗凝集性殺鼠剤に対する相対的評価(comparative assessment)に関する意見等を採択したことを発表しました。1)

(注)BPCはBPRにしたがって幾つかのプロセスに関連する当局(ECHA)の意見を準備します。各加盟国はある加盟国を3年間の任期でBPCメンバーに任命する資格を与えられています。BPCは各加盟国から1名ずつ任命された委員で構成され、欧州化学物質生態毒性および毒性センター(European Center for Ecotoxicology and Toxicology of Chemicals)、欧州化学工業連盟(European Chemical Industrial Council)などの業界団体を含めた会合が定期的に開催されています。

対象となった3種の活性物質と製品型式の組合せは以下です。

物質名(英名) 物質名(和名) CAS No 製品型式
MIT(2-methyl-2H-isothiazol-3-one) 2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 2682-20-4 12
Fludioxonil フルジオキソニル 131341-86-1 7.9.10
Margosa extract 84696-25-3 19

殺生物性製品規則(BPR)は第2条(適用範囲)第1項において、BPRは殺生物性製品および処理された成形品に適用されることを規定し、附属書Vにおいて下表に示すとおり製品型式分類のメイングループと個々の製品型式が示されています。

附属書V(製品型式の類別)

メイングループ 製品型式(PT)
メイングループ1 : 消毒剤 PT1 : ヒト用衛生用品、PT2 : 直接ヒトや動物への使用が意図されない消毒剤、殺藻剤、PT3 : 動物用衛生用品、PT4 : 食料や飼料を扱う分野の消毒剤、PT5 : 飲料水用消毒剤
メイングループ2 : 保存(防腐)剤 PT6 : 缶詰等の貯蔵中製品に係る保存剤、PT7 : フィルム(被膜)の保存剤、PT8 : 木材防腐剤、PT9 : 繊維、皮革、ゴムおよび重合材の保存剤、PT10 : 建造材料の保存剤、PT11 : 液体冷却および処理システムのための保存剤、PT12 : スライム防止剤、PT13 : 切削加工用液体の保存剤
メイングループ3 : 有害生物駆除剤 PT14 : 殺鼠剤、PT15 : 鳥駆除剤、PT16 : 軟体動物駆除剤およびその他無脊椎動物駆除製品、PT17 : 殺魚剤、PT18 : 殺虫剤、殺ダニ剤、その他節足動物駆除製品、PT19 : 忌避剤と誘引物質、PT20 : その他の脊椎動物の駆除製品
メイングループ4 : その他の殺生物性製品 PT21 : 汚染防除製品、PT22 : 死体(ミイラ)や剥製を防腐保存するための液体

活性物質は、上記の製品型式(PT)との組合せに限定して承認されます。したがい、承認活性物質は承認時に承認されている製品型式との組合せにおいてのみで使用可能であり、それ以外の製品型式との組合せでの使用はできません。

BPCは上記3物質と該当する製品型式の組合せに対する承認意見を採択しています。当該採択意見は欧州委員会と加盟国による最終の意思決定の根拠として役立つと考えられています。活性物質の承認期間は10年を超えない定められた年数で決定されます。
 抗凝血性殺鼠剤に対する相対的評価についての意見はBPR第75条(1)(g)に従ってBPCから要求されています。当該殺鼠剤に対する化学物質および非化学物質への代替物質の利用可能性と効果を扱っている相対的評価(comparative assessment)に関連する幾つかの質問に対してBPCから意見が提出されています。

製品タイプ18(殺虫剤、殺ダニ剤)に対するCypermethrin に関する別の意見は書面手続により採択が要求されるものと思われます。

BPCにより採択された上記3種の活性物質の承認を支持する意見2)は以下のとおりです。

MIT 製品型式12

MITは製品型式6、11、12、13で評価された既存活性物質で、BPCは既に製品型式11と13で意見を採択しています。製品型式12においてはMITを含む製品は製紙工場の紙、パルプ懸濁液のような水成製品の有害微生物に対する防護のためのslimicidesとして使用されます。バクテリアや菌の成長の防止は当該システム中の粘液産出微生物(slime-producing organisms)に対抗する保護が達成されることが必要となります。
 活性物質申請に対する評価権限当局はスロベニアです。

Fludioxonill 製品型式 7、9、10

Fludioxonillは新規活性物質です。製品型式7ではペイント、シリコンコーティング、鉱物性およびシリコンシーラントおよび微細間隙注入モルタルの保護を包含する多様な末端の応用品に適用され、または一体となり防腐剤中に使用されます。製品タイプ9では壁面ライニング用の紙の防腐剤として使用されます。製品タイプ10では石膏ボードのような建築材料の防腐剤として使用されます。
 活性物質申請の評価権限当局はデンマークです。

Margosa extract 製品型式19

Margosa extractは既存活性物質で水および有機溶剤を用いて抽出されたmargosa exract from the kernel of Azadirachta indica の名称で製品型式18に対してユニオンリストに収載されています。製品型式19においては、建築物に侵入する蟻を阻止するための防腐剤としての使用が意図されています。
活性物質申請の評価の権限当局はドイツです。

抗凝集性殺鼠剤に対する比較評価

抗凝集性殺鼠剤は代替基準に適合するので製品認可時点で比較評価が実行されることが必要です。本評価は権限ある当局の会合での決定にしたがい共同体レベルで実施されます。欧州委員会は第75条(1)(g)の手順(procedure)で以下の質問についてBPCに意見提出を要求しました。

  • a)EUにおいて認可されている殺鼠剤中の活性物質の化学的な多様性はターゲット有害生物の抵抗の発生の最小化に適切であるか
  • b)更新申請において特定された異なる用途に対して認可された代替の殺生物性製品または制御及び防止の非化学手段が利用可能であるか
  • c)それらの代替品は人の健康、動物の健康および環境に対するリスク全体を著しく低減をもたらすか
  • d)それら代替品は十分に効果があるか
  • e)それらの代替品は、それ以外の著しく経済的または現実的不利をもたらさないか

フォスフィン(気体状リン化水素:phosphine)及び二酸化炭素(carbon dioxide)を放出しているアルファクロラローゼ(alpha chloralose)、アルミニウムリン化物(aluminum phosphide)は比較評価に対する代替品として適確であるとして特定されました。その評価は抗凝集性殺鼠剤と比較してそれらの代替品に対し著しく現実的で経済的に不利であることを示しています。
 レビューされた7つの特定された非化学的方法に対して、それらが十分に効果的であることを証明するために利用可能な強力な科学的証拠(robust scientific evidence)は認められていない。
 その結果、比較評価に関するテクニカルガイダンスノートの階層的アプローチに従って、これら方法は比較評価の目的に照らして適確な代替とは見做されません。個々の代替はそれら自身または他の代替との組合せで一定の限られた状況で十分な効能を提供するかも知れません。しかし、レビューされたすべての非化学物質代替が抗凝集性殺鼠剤の必要性を無効にする十分な効果を証明するための科学的証拠は不十分です。
「Water Framework Directive に規定している品質標準との関係を表明することおよび直接暴露の評価を修正することを必要とする。」という意見が書面による手続(written procedure)により採択されることが期待されている。

Cypermethrin 製品型式 18

Cypermethrinは既存活性物質です。Cypermethrinを含んでいる製品は、這い回ったり飛び回ったりする昆虫に対する幅広い殺虫剤として事業者によって農場、動物小屋および食品加工設備を含む個人および公共建造物の中や周辺において使用されることが意図されています。
 活性物質申請の評価の権限当局はベルギーです。

以下に上記のバックグランド情報として、EUの規制プロセスにおけるBPCの役割を記載します。
 新活性物質の承認申請に際し、企業はドシエ(技術一式文書)を提出して活性物質の承認申請をしなければなりません。
 評価権限当局は妥当性チェック後、1年以内に評価を行ない、当該評価結果はBPCに届けられBPCは270日以内に意見を準備します。その意見は欧州委員会と加盟国による意思決定のベースとして活用されます。
 活性物質の承認は10年を超えない明確な年数で認められます。

2000年5月14日以前に上市された新活性化物質に対すると類似の方法で殺生物見直しプログラム(the biocides review programme)の下で評価される化学物質は既存活性物質として言及されます。

活性物質の承認プロセス期間中、評価権限当局は当該活性物質がBPR第10条(1)の代替の基準に適合し、それ故に代替のための潜在的な候補であると結論してもよい。この規定の目的は公共の健康または環境に特別に関わる物質を特定しこれらの物質は段階的に除去し(phased-out)もっと適当な代替品と置換えることを確実にすることにあります。代替のための基準は用途と組合せた固有の有害性に基づいており、例えば物質がBPRにリストされている少なくとも1 つの除外基準に適合しているか、または物質が呼吸器感作性であれば代替基準に含まれます。代替のための潜在的候補として評価権限当局から特定される物質に対して、ECHAは関連する第三者に利用可能な代替物質に関する情報を含む関連情報を提出するためのパプリックコンサルテーションを開始します。続いて、意見の準備のためBPCは代替候補として活性物質の特定された要求をレビューします。

代替候補の活性物質は更新のケースであっても7年以上は承認されない。活性物質が1つ以上の除外基準に適合するならば5年間のみ承認される。活性物質が代替候補として特定される時は、当該活性物質を含有している製品は認可の時点で比較評価にしたがわなければならず他によい代替がない場合のみ認可されます。

1)https://echa.europa.eu/-/biocidal-products-committee-adopts-six-opinions
2)https://echa.europa.eu/documents/10162/23012100/bpc19_na_annex/69b8e9dc-f838-57f4-5343-3990d535f315

(瀧山 森雄)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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