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ここが知りたい REACH規則

コラム

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17.04.14

ベトナム化学物質規制法の動き

アセアン諸国は欧米と異なり日本の中小企業が直接的に輸出していることが多く、関心が高いようです。ベトナム化学物質規制法の概要と動きを改めて整理してみます。
 ベトナムの関連法の紹介はこれまでも行っていますが、URLが変更になって、リンクが外れているものもありますので、再調査しました。

1.法体系

ベトナム法は階層構造になっています。

  • 憲法(Hiến Pháp/Constitution)
  • 法律(Luật Quốc hội/ Law):QH/国会により制定
  • 国会決議(Nghị Quyết/Resolution):NQ/国会常務委員会が制定
  • 国会常務委員会令(Pháp Lệnh/Ordinance):PL/国会常務委員会が制定
  • 政府議定(Nghị Định/Decree):ND/政府が制定
  • 首相決定(Quyết Định/Decision):QD/首相が制定
  • 各省通達(Thông Tư(通知)/Circular):TT/大臣が決定

国会は会期が5年で、法律は会期内でまとめられます。例えば、2011年~2015年は第13期で、法律にはQH13が付きます。
 各省通達には法規制番号に省の略語が記載されます。化学物質関係は商工省のBCT(BỘ CÔNG THƯƠNG)になります。法令の基本言語はベトナム語ですが、一部ですが、英語や日本語でも開示されています。法令データべースもあります。
 商工省の関係法規制は下記にあります。
 http://www.moit.gov.vn/en/Pages/LegalDocument.aspx
 法律は下記から落とせます。
 http://www.vietlaw.gov.vn/LAWNET/
 税関関係は下記にあります。
 https://www.customs.gov.vn/home.aspx?language=en-US

2.化学物質法

ベトナムでは化学品法(06/2007/QH12)が化学物質関連の基本法です。
http://www.vietlaw.gov.vn/LAWNET/docView.do?docid=21830&type=html&searchType=fulltextsearch&searchText=
 第1条(適用範囲)で「この法律は、化学活動、化学活動における安全性、化学活動に関与する組織および個人の権利および義務、ならびに化学活動の州の管理を規定する」とし、第2条(適用)「この法律は、化学活動に携わる組織や個人に適用」としています。
 ただ、第3条(法の適用)で除外があります。

  • 化学活動は、この法律およびその他の関連法規の規定に従わなければならない。
  • 放射性物質及び放射性廃棄物に関する活動は、放射線安全及び原子力に関する法律を遵守する。
  • この法律の規定が、ベトナム社会主義共和国が属する化学物質及び化学物質に関する国際条約の規定と異なる場合は、当該条約の規定を適用するものとする。

国内法より国際条約を優先する規定があり、先行的な規制になる可能性があります。
 第4条(用語の定義)で、対象が明確になってきます。
 次は、EU REACH規則などと同じです。

  • (ア)化学物質とは、天然原料や人造材料から開発された物質、化合物、物質の混合物をいう。
  • (イ)物質とは、処理中に生成する不純物を含む化合物、安定した物理的および化学的性質を保証するために必要な添加物で、分離されたときにその物質の性質が変化しない溶媒を除く。
  • (ウ)物質の混合物は、通常の条件下で化学反応が起こらない2種以上の物質の集合体である
  • (エ)有害化学物質は、化学物質の分類および表示に関する世界調和システムの分類システムに基づいて、以下の1つ以上の有害な性質を持つ化学物質である。
    a.爆発性 b.高酸化性 c.高腐食性 d.可燃性 e.急性毒性 f.慢性毒性 g.刺激性 h.発がん性 i.変異原性 j.生殖毒性 k.生物蓄積性 l.難分解性 m.残留有機汚染物質 n.環境毒性

国により異なるのが、既存物質/新規物質の定義で、第6項に定義されています。
 新規化学物質は、「国家化学物質のリストに含まれていない化学物質及びベトナムの管轄国家機関が許可する外国化学物質のリスト」であるとしています。

3.分類

GHSに基づく分類と表示は、04/2012/TT-BCT(CIRCULAR REGULATIONS OF THE CLASSIFICATIONS AND LABELING OF CHEMICALS:通達 化学物質の分類および表示の規則)で行われます。
http://www.moit.gov.vn/Images/FileVanBan/_TT-04-2012-BCT.pdf
 分類項目は、前記のa.爆発性b.高酸化性~m.残留有機汚染物質n.環境毒性です。
 04/2012/TT-BCTは、2012年3月30日に発効しています。物質の分類は2年後の2014年3月30日、混合物の分類は4年後の2016年3月30日が期限となっていました。表示は、対象となる有害物質の表示はベトナム語にて行わなければなりません。
 ラベル要素などは89/2006/NĐ-CPに規定されています。
http://thuvienphapluat.vn/van-ban/Thuong-mai/Nghi-dinh-89-2006-ND-CP-nhan-hang-hoa-13789.aspx
 詳細は108/2008/NĐ-CPに規定されています。
http://www.vietlaw.gov.vn/LAWNET/docView.do?docid=22744&type=html&searchType=fulltextsearch&searchText=

4.既存物質インベントリ(ベトナム化学物質インベントリ)

商工省は2016年9月15日に初めて「ベトナム既存化学物質リスト草案の募集意見」に関する通知を公表しました。リストに未収載の化学物質は「新規化学物質」と見なされることになりますので、話題となりました。
 最初の通知では、3032物質が収載されており、2016年10月31日までに初回の意見を受付するとしました。
 2017年3月13日に「ベトナム既存化学物質リスト草案の募集意見」を更新し、既存化学物質として4927物質を収載しました(First draft of the National Chemicals Inventory rev. as of March 15 2017)。なお、この更新では日本が協力したことが示されています。
http://vcerc.com/lay-y-kien-lan-2-cho-du-thao-dmhcqg/
 リストは、EXCELファイルですが、項目は次です。()内は例です。

  • No. (1)
  • CAS (50-00-0)
  • Chemical Name(proposal)(Formaldehyde)
  • HS Code (29121100)
  • DATA Source (1)

HS Codeがありますので、具体的です。
 DATA Sourceは1~3です。

  1. プロジェクト初年度の状況調査
  2. 2016年11月30日までに公開されたコメント
  3. 2016年11月30日以降に収集されたパブリックコメント及びVINACHEMIAによる個別調査

ベトナムのHS Codeは下記で検索できます。
 https://www.customs.gov.vn/SitePages/Tariff.aspx

新規化学物質は、国家化学物質のリストに含まれていない化学物質及びベトナムの管轄国家機関が許可する外国化学物質のリストですので、今後は外国化学物質のリストが追加されると思います。

(松浦 徹也)

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当解説は筆者の知見、認識に基づいてのものであり、特定の会社、公式機関の 見解等を代弁するものではありません。法規制解釈のための参考情報です。 法規制の内容は各国の公式文書で確認し、弁護士等の法律専門家に判断によるなど最終的な判断は読者の責任で行ってください。

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