ビジネスQ&A

ビジネスQ&A

経営者のよくあるお悩み一問一答

Q
自社HP・eコマース2018.01.10
Q1280. ウェブサービスの利用規約に関する留意点を教えてください。

 ウェブでのサービスを開始して5年になる情報サービス会社です。民法改正によって、「約款」に関する条文が創設されたと聞きました。ウェブサービスの利用規約も約款に当たるそうですが、留意点を教えてください。

A.

 改正後民法では、「定型約款」のみなし同意の規定ができますが、定型約款の要件を充たす必要があります。約款や利用規約といった名前が付いているものすべてに効力を認められるわけではありません。さらに、内容や変更に制約がある点に留意が必要です。

【約款とは】

約款とは、画一的な取引を行うための、定型的な内容の契約条項のことです。ウェブサービスの「利用規約」は約款の典型例であると言われています。
 契約が拘束力を持つ根拠は、「そう望んだから」という意思の合致にあるといわれています。しかし、「利用規約」の全文を読んでから「承諾する」ボタンを押す人は、はたしてどれくらいいるのでしょうか。読んでもいない条項に効力を認めてよいものか、疑問視されていました。一方で、不特定多数相手の取引を効率よく行うために、約款が必要なことも確かです。そこで、改正後民法では、一定の要件を充足する場合に「定型約款」として効力を認めることとしました。

【定型約款とは】

改正後民法でいう定型約款とは、(1)相手方が不特定で、(2)取引の内容が画一的であることが双方にとって合理的である(定型取引)、(3)定型取引の契約の内容とするために準備された条項の総体を指します。
 ウェブサービスに即せば、オーダーメイド型の特定の事業者向けのサービスの多くは相手方が不特定という要件に合致せず、定型約款にあたらないと考えられます。

【定型約款のみなし合意】

(1)定型取引を行う合意と、(2)定型約款を契約内容とする合意か定型約款準備者が定型約款を契約の内容とする表示で、定型約款の個別の条項についても同意したものとみなされます。定型約款は、要求に応じ開示義務がありますから、ウェブサービスの場合はあらかじめ申し込み画面で定型約款の内容を表示したりメールで送付をしたりしておくなどの仕組みが考えられます。

【みなし合意からの排除】

不当条項については、みなし合意から排除されます。ほぼ消費者契約法第10条の規定と同じ趣旨ですが、事業者間の取引であっても適用される点がポイントです。典型的には、故意(わざと)重過失(著しい不注意)であっても損害賠償責任を免れるというような条項は排除される可能性が高いでしょう。

【変更の制約】

現在の利用規約の多くは、定款の変更が可能であるとの条項を持っていると思われますが、自由に定款の変更が認められるわけではありません。定型約款の変更は、相手方の一般の利益に適合するとき、または、変更の必要性・相当性等諸事情に照らして合理的であるときに認められます。さらに、変更の内容・変更の効力発生時期等の周知も必要です。

インターネットを利用していると、一方的に運営者に有利で、無効になる可能性も考えられる利用規約の条項も散見されます。運営者にとって思わぬリスクとならないよう、利用規約や契約の方法・内容について、法律の専門家である弁護士と相談して見直すことをお勧めします。

関連記事

同テーマの記事を見る。3つのコンテンツから検索ができます。

    フリーワードで探す

    無料相談のお問い合わせ