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株式会社ipoca(イポカ)
店舗でのお買い物に情報革命を起こし人々の笑顔を増やす
代表取締役社長 一之瀬 卓
代表取締役社長
一之瀬 卓
代表取締役副社長 山本 正憲
代表取締役副社長
山本 正憲
事業内容:リアル店舗の店頭情報プラットフォーム「NEARLY(ニアリ)」運営
本社所在地:東京都港区虎ノ門4-1-10 青木ビル5F
URL:https://www.ipoca.jp/
設立年:2007年
資本金:593百万円(資本準備金含む)
従業員数:40名(インターン/アルバイト含む)
ファンド事業:ベンチャーファンド出資事業
同社に投資を行った出資先ファンド名(無限責任組合名):
KSP3号投資事業有限責任組合(株式会社ケイエスピー)他

事業概要

身近な施設でのお買い物をもっと楽しく、お買い得に

当社は、身近な商業施設などにおける店舗のさまざまな商品やお得な情報を一般消費者に提供する店頭情報プラットフォーム型販促アプリ「NEARLY(ニアリ)」を運営している。スマートフォンなどの普及の影響による新聞の購読率低下に伴いチラシの宣伝効果が薄れていることを背景に、主に商業施設においてニアリの導入が進んでおり、登録店舗数は1万店舗を超える。他方、インターネット通販の利用が年々増加傾向にある昨今、ことアパレル小売業界においては実際に生地感、サイズ感、デザインを知りたいといった試着後の購入意欲が高いことも事実である。情報社会の進展により消費者は取捨選択の幅が広がったことにより、特定の店舗に対して帰属意識を持たない、いわゆるライトユーザー層が消費者の大多数を占めている。インターネット通販では実感することが出来ない体験を求め、ライトユーザー層はスマートフォンを片手に身近な施設や店頭のタイムリーな商品情報やお得な情報を得て、わくわくしながら購買を楽しんでいる。そのようなリアルな店舗の店頭情報を提供することで商業施設と購買意欲の高いライトユーザー層を効率的に結ぶことができるのがニアリなのである。これまでの販促型サービスのコンテンツはロイヤルユーザー層向けのダイレクトメールやポイント発行といったものが多かったが、ニアリはライトユーザー層であるアプリユーザーの性別、エリア、購買思考を一人ひとり判別し、商業施設や店舗のフォロー状況に応じて提供する情報を出し分けることにより店舗とのマッチング精度を高め、購買動機につなげる仕組みを実現している。これらの仕組みを活かし、「期間限定バリューセレクト」といったクローズドなセール情報を、該当する商業施設をフォローしているアプリユーザーに告知する新サービスを提供するなど、2007年の創業時から今も変わらない「店舗でのお買い物に情報革命を起こし人々の笑顔を増やす」というミッション達成に向け試行錯誤を続けている。

創業からVCに出会うまでの経緯

スタートは商店街の活性化

「せっかくいいものが売られていても消費者にその情報が届かなければ意味がない。」と一之瀬社長は語る。これはある商店街のお豆腐屋さんで、国産の大豆とにがりを使った非常においしいお豆腐が街の人々に知られていないという状況を目にした一之瀬社長の実体験からの考えである。一之瀬社長は学生時代から起業家を志しており、そのステップとして税理士になるという特異な経歴を持つ。税理士のクライアントは商店街の店舗が多く、店頭に置かれている優れた商品の情報が可視化されていないことに気づく。商店街にある店舗の情報を何とか整理し、広く発信することで店舗と消費者を一本化(これが当社社名であるipocaの由来となっている。)することを目論んでいた。そんな最中、Felicaを使った勤怠管理システムを開発した会社がクライアントにあり、個人情報がID化できるのならば商店街の各店舗に散在するポイントカードもFelicaを使えば集約できるのではないかというアイデアから生まれたのがタッチ式の販促システム「タッチャン」である。一方、株式会社ipocaを設立して間もない一之瀬社長は経営・ビジネスの基礎を学ぶためKSPビジネスイノベーションスクールを受講し、自らのビジネスプランをブラッシュアップすることに勤しんでいた。このビジネスイノベーションスクールにおけるビジネスプランが後にJAPANベンチャーアワード2014の地域商業貢献特別賞をはじめとした数々の受賞に繋がったと振り返る。

時代の潮流に乗せた事業転換

当社が設立された2007年は初代iPhoneが発売された年であり、国内では「ガラケー」から「スマホ」への過渡期を迎えた。「この流れに乗れなかった会社は淘汰されてしまっている。」と振り返るように、当社の当時主力商品であった「タッチャン」はガラケーに搭載されたFelica機能を用いた販促ツールであるのに対し、iPhoneにはFelica機能が搭載されておらず、それに対応すべく2013年にニアリがタッチャンの次世代バージョンとしてリリースされた。その開発費用として中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)が出資し、株式会社ケイエスピーが運営するKSP3号投資事業有限責任組合から投資を受けることとなる。「ニアリが時代の流れに乗れたのは技術的な要素だけではなく、タッチャンのアイデアとノウハウがあってこそ。」と一之瀬社長は語る。当社は設立から10年目を迎えようとしているが、世の中にO2O (オンラインでの情報をもってオフラインでの購買行動に影響を与えるような施策のこと)という言葉が生まれる前からの地道な広報活動を経て、ようやくプレゼンスが確立されつつあるという。タッチャンは3年間で15百店舗、50万人に使われるサービスにまで成長したが、それ以上のスケールは難しかったと振り返る。「北は北海道から南は沖縄まで自分たちが売れるところから販売していった結果、ある場所では登録店舗は1つ、ある場所では20店舗という具合に地域の情報が集積していないサービスとなった。」と語る。そういった失敗を糧にニアリはドミナント戦略をとることで営業エリアを全国から、まずは首都圏と関西圏に集中させた。そしてニアリの情報の量と価値を向上させるため特定の地域におけるカバレッジ(ニアリの商業施設カバー率)を重要視し、新宿、横浜、川崎、二子玉川といった商業施設が集積した商圏エリアにニアリの導入を進めたことで、今では各導入エリアの拡大に伴いエリア同士が重なり合うまでに至っている。このような戦略によってニアリは1年間で1万店舗以上という非常に早い横展開を成し遂げたことから、新たな商圏エリアとして札幌、仙台、新潟、名古屋、福岡への導入を進めている。

ファンド等を活用した事業の拡大と成長

会社のステージに沿ったアドバイス

2013年のKSP3号投資事業有限責任組合からの出資は、当社にとってベンチャーキャピタル(新興企業等に投資を行う会社や組織、以下VC)からの最初の出資の受け入れだった。「あの時の出資がなければ他社からの出資もなかった。」と一之瀬社長は振り返る。これまでに複数のVCや事業会社からの出資を受けるまで当社は成長を続けており、2016年12月には株式会社JR西日本イノベーションズ(西日本旅客鉄道株式会社の新会社(コーポレート・ベンチャー・キャピタル))からの出資がなされている。しかし、今日に至るまで人材の課題、サービスの課題、営業の課題など散在しており、「ベンチャー企業は目の前の課題を解決することに精一杯になっている中、数多くのベンチャー企業を支援しているVCからの会社のステージに沿った広い視点でのアドバイスは、今の経営につながっている。」と一之瀬社長が語るようにVCからの支援は資金調達を超えたあらゆる側面から実施されていることが伺える。

公的機関による支援

創業時、タッチャンの事業モデルが2007年度のSBIR(中小企業技術革新制度)に採択されたことにより中小機構から特定補助金の交付及び専門家継続派遣事業によるアドバイス支援がなされた。専門家派遣事業においては中小企業診断士の派遣がなされ幅広いアドバイスを受けることができたとともに、「政府系金融機関からの融資も受けることが出来たため、経営基盤の安定化につながった。」と一之瀬社長は振り返る。また、2014年には中小機構が主催するJAPANベンチャーアワード2014において地域商業貢献特別賞を受賞している他、複数の賞を受賞している。これについて一之瀬社長は、「ベンチャー企業は広報に予算をかけられない。受賞できたことで当社の認知度を向上させることができ非常にありがたかった。」と語る。

今後の事業の展望について

ITを用いてお買い物をもっと楽しく

創業時からのミッションを追求し、エンドユーザーはもちろん、商業施設、店舗、納入業者、メーカー、そして当社とすべての人たちの笑顔を増やしていくことを目的に店頭情報のプラットフォームであるニアリにおいて新たなコンテンツサービスの展開が企図されている。具体的には、百貨店は季節やイベントごとにチラシを冊子として配布しているがこれをニアリのコンテンツとして展開するサービスや、来店時の顧客満足度等のアンケートを、アプリユーザーを対象に実施するサービスが挙げられる。その他、店舗の求人情報の配信もニアリで展開できないか検討が進んでいる。
「情報化社会の進展により決済システムや在庫管理はIT化が進んでいるが、店舗でお買い物をするという行為自体はIT化が進んでいない。我々はお買い物の喜びを、ITを駆使して更に増やしていくことに挑戦している。ITを用いて取り置きした商品を店舗に取りに行くこと、ITを用いて店員さんが自分の好みに合った商品を薦めてくれること、レジに並ばずに決済を可能にすることなど、ITを通じてお客様の笑顔を増やすことを突き詰めてやっていきたい。」と一之瀬社長は語る。

消費者のための上場

当社は将来、店頭情報のプラットフォームを運営する会社として上場を視野に入れている。上場の目的を一之瀬社長は、「ニアリを更にスケールさせるためには、資金調達もさることながら、それ以上に消費者のニアリに対する認知度を向上させることが不可欠。今後、ニアリが消費者の生活の中に深く入ってサービスを展開するに当たっては、社会の公器として経営を行うとともに、優秀な人材の採用にもつなげていきたい。」と、上場によって事業展開を加速させていきたいと語る。

今後起業を考えている人へのアドバイス

人との出会いを大切にする一之瀬社長がこれから起業される方へのメッセージとして「やり切ること」を挙げる。これは一之瀬社長自身も自分に言い聞かせていることのようで、「経営者になる人なので他責にしたり言い訳をしたりしない人であろうからこそ、一番大切なこととしてお伝えしたい。諦めなければ必ず道は開けると思います。」と語った。

ベンチャーキャピタルの声

【株式会社ipoca(イポカ)の事業の魅力】
海外のネットビジネスをベンチマークして、似たサービスを国内で素早く事業を立ち上げ、他社に売却する……そんなイメージのITベンチャーとは正反対の事業ポリシーを持つ企業がipocaです。顧客(消費者、商業施設、店舗)への価値に徹底してこだわり、現場を最重要視する姿勢が、継続的に成長可能なサービスを実現させています。成長までの時間はかかるかもしれませんが、誰にも真似できない圧倒的に強いサービスを目指して欲しいと思います。アパレル購買のEC化率は5%以下。まだまだお店で見て触って、試着して買いたい人が多いのです。消費低迷の昨今だからこそ、ネットでポチるのでなく、お店に行って、商品を見て、店員さんと話して買う。そんなお買い物の楽しさをNEARLYを通じて多くの方に再確認して頂ければと思います。

株式会社ケイエスピー

2016年度取材事例

掲載日:2017年4月17日

この事例は取材した当時の内容をもとにとりまとめを行っているものです。
従いまして、現在の企業様の事業内容等と異なる場合がございますので、予めご了承くだいますようお願いいたします。
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