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活躍中の独立診断士へインタビュー

最前線の診断士

最前線で活躍する中小企業診断士が語る「私の3か条」(2)有村 知里さん

取材・文:大谷 周平小野 竜生(中小企業診断士)

【第1回】企業に寄り添い、社長や社員と伴走する

2018年8月7日(取材日:2018年7月4日)

本シリーズでは、最前線で活躍する3名の中小企業診断士の方に、試行錯誤の末にたどり着いた中小企業診断士としての信条やルールを伺います。
2人目は、県庁と中小企業に勤め、その現場経験を活かして社長や社員に伴走型支援を行う有村知里さん。第1回は、「私の3か条」にたどり着くまでの軌跡を追いました。

行政から中小企業の現場へ

―中小企業での勤務経験をおもちなのですね。

私は大学卒業後、県庁に入庁して7年間、水産部で水産流通の施策を担当しておりました。そのときに、積極的に活動されている中小企業と仕事をする機会がありまして、一緒に案件にかかわる中、その企業に惹かれて転職しました。
安定した行政機関から中小企業への転職は、周囲に「どうして?」と尋ねられましたが、「それまでは行政の立場から長期的・公益的な視野でサポートしていた案件に、企業の立場から実行面で携わり、現場経験を積みたい」という思いがありました。また、小規模な企業だからこそ組織が活発で発展していると感じ、いきいきと仕事をしている社員に魅力を感じました。

―診断士資格を取得しようと思われたのはなぜですか。

私が勤めたのは、3年間で従業員が50人から100人へと急激に成長していた中小企業でした。会社の規模が急速に拡大していく中、体制や仕組みが追いつかず、いくつかの課題が浮き彫りになっていました。
小さな会社でフラットな組織構造だからこそ、経営面の課題から現場で起こる問題までさまざまな話が耳に入ってきましたし、実際に私も問題に直面しました。業務の中で生じた疑問について、課題を解決するための明確な解をもちたいと考え、以前から知っていた中小企業診断士の勉強を始めたのがきっかけです。

思いを実現し、強みを活かす

―診断士資格を取得されて、どのような影響がありましたか。

中小企業診断士の勉強を通して経営全般の知識を得たことで、それまで実務の中で何となく行っていたことが、どのような理論に基づき行われていたのかを理解できるようになりました。実務と理論が有機的に結び付くことで、仕事に対して納得感ややりがいを得られ、知識の深耕を図ることができました。その反面、社員の立場では踏み込みづらい経営や組織の課題について、もっと専門性をもって支援したいという思いも芽生えてきました。

―独立を決断されたきっかけは何でしょうか。

中小企業の現場を経験していること、そして女性であることが自分の強みとなると考えたためです。診断士資格を取得されるのは、大企業や銀行に勤めている方が意外と多いですよね。ですから、逆に中小企業で培った現場経験が強みになると思いました。
また、当時は女性の中小企業診断士が少なく、女性ならではの視点や精細な意見を出せることも強みになると考えました。

伴走型支援で企業に寄り添う

―現在の業務についてお聞かせください。

補助金・融資の申請や、事業計画の策定のお手伝いをさせていただいています。私の信条は、申請・策定段階から実行段階までしっかりとサポートをすることです。
たとえば、補助金・融資の申請では、行政での勤務経験からその雰囲気や文化を熟知していますので、採択後の相談や補助事業がスムーズかつ確実に実行され、軌道に乗るまでもフォローさせていただいています。また、事業計画の策定では、中小企業での現場経験を活かして、社長や社員とともに経営ビジョンや社長の思いをイメージの状態から具現化します。自社の強みや弱みを認識してもらうことで、経営資源を適正に配分し、社員に理解・浸透させて行動計画へと展開するお手伝いをしています。
そして、何より大事なのは、社長と社員が一丸となってしっかりと計画が実行されることです。そのために、定期的にミーティングを行い、進捗確認や相談を受けることで社長や社員と伴走し、経営のサポートをしています。
そのほか、創業・新事業展開セミナーや異業種交流会にも力を入れております。

―次回は、伴走型支援を信条とする有村さんの「中小企業診断士として仕事をするうえでの3か条」についてお聞きします。

(つづく)

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プロフィール

有村 知里(ありむら ちさと)

有村コンサルティングオフィス代表・中小企業診断士。埼玉県熊谷市生まれ。埼玉県立浦和第一女子高校、東京水産大学(現・東京海洋大学)食品生産化学科卒業。地方公共団体にて水産行政を担当後、水産商社・製造卸(中小企業)にて新規事業開発と販売促進を担当。1997年に独立し、中小企業の経営改善・経営革新支援、新事業支援に携わる。クライアントの強みを導き出し、実行可能な提案で課題を解決することを得意としている。