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自ら原価管理を行い、利益を把握し、経営に活かせるように 公認会計士 岡本 俊也さん

取材・文:川崎 朋子(中小企業診断士)

【第1回】「お客さんが使いこなして、経営に活かしてほしい」から生まれた新原価管理システム

2017年5月11日更新(取材日:2017年3月9日)

元SEで公認会計士の岡本俊也氏は、損益のシミュレーション機能を搭載した中小企業向け新原価管理システム「SHIN」の生みの親でもあります。全3回にわたってお話を伺うにあたり、まずは、新原価管理システムが生まれたきっかけを尋ねました。

原価計算の構造美に魅せられて

―元SEで、現在は公認会計士をなさっていると伺いました。

大学を卒業後、最初に就職したのが東京のソフトハウス(編集部注:ソフトウェアを開発・販売する企業のこと)でした。そこで10年間働いたのですが、最後の4年間は経営管理のシステム開発を行っていました。そして、それらの業務に携わっているうちに、特に原価計算が好きになりました。
原価計算は、目的や業態、加工形態等によってさまざまな計算方法が存在し、正解がありませんが、私は理屈が好きで、原価計算においては理屈が合っていると、とてもきれいに見えるんですね。私には、構造美があるように思えました。
そして、原価計算をやるなら、専門家になってコンサルティングをしながらソフトの提供ができないかと考え、退職して公認会計士の勉強を始めます。その後、コンサルティング会社、会計士補として監査法人を経て、公認会計士資格を取得すると税理士資格も得られますので、税理士として長野で独立開業しました。昔、母が長野にいたことがあり、田舎の良さを感じながら生活したいという気持ちがあったのですが、システムがわかるということで関連した仕事をたくさんいただくようになり、システムコンサルタントとして働くことにシフトしていきました。
税理士、そしてシステムコンサルタントとして業務を行う傍ら、私には好きな原価管理システムを作りたいという想いもありました。そこで、本業の合間を縫って3社のお客さんに原価管理システムを提案し、作らせていただいたりもしました。
その後、リーマンショックがあり、システムコンサルタントとしての仕事が激減したときに、原価管理システムに本腰を入れて仕事にしようと考えるようになります。そして、東京の会社と組んでシステムの本格的な開発を行うことにし、東京に戻りました。

提案だけでなく、お客さんが自らできるところまで一緒にやりたい

―新原価管理システムは、どのような想いで作られたのですか。

元々、コンサルティングを提案だけで終わらせたくないという気持ちがありました。どうすれば提案だけで終わらないかを考える中で、お客さんに仕組みも提案すれば良いのではないかと思うようになったのです。仕組み――言い換えるとシステムですね。「こういう風にやれば良いんです、と方法論だけを教えて、あとは自分たちで考えてください」というよりも、「これを使って、こうすればできますよね」というところまでやっていきたい。「お客さんが自らできるようになるまでサポートをしたい」という気持ちがありました。
私は、プレイングマネージャーとして働くのが好きで、お客さんに直接「ありがとう」と言われたいんですね。私たちが新しい仕組みを提案し、喜んでもらいたいという想い、それが新原価管理システムです。
原価管理とは簡単に言うと、製品1個当たりにいくらコストがかかったかということですが、原価計算自体は非常に煩雑です。まずは会社の支出情報をすべて集めるわけですが、支出のタイプはそれぞれ異なります。お金を払って購入するものもあれば、人件費や減価償却費もある。単純に購入したものを計算して積み上げるわけではないんです。さらには配賦もあります。
そのため、企業では原価計算に多くの時間と労力を費やしていますが、重要なのは製品1個当たりのコストを計算した後――つまり、いまは1個いくらで売れていて、コストがどう変われば儲けがどう変わるか、もしくは、これだけの儲けを出したければ、何をどう変えれば良いか、です。私には、それがわかるような仕組みを企業が求めているのではないかという考えがありました。だからこそ、単に原価計算ができるだけでなく、損益のシミュレーションもできる原価管理システムを作りたいと思ったんです。しかも、お客さんが簡単に使いこなせて、経営に活かせるものが良いと思いました。
これらの機能を入れ込んだ結果、通常の原価管理システムではなく、新原価管理システムが誕生しました。システムの名前も「新」から取って、「SHIN」としました。

(つづく)

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プロフィール

岡本 俊也(おかもと としや)
1960年生まれ。公認会計士。元システムエンジニア。大学卒業後、ソフトハウス(ソフトウェアを開発・販売する企業)にて経営管理システムの開発に携わった経験を活かし、損益のシミュレーション機能を搭載した中小企業向け新原価管理システム「SHIN」の生みの親となる。「お客さんが自らできるようになるまでサポートをしたい」という想いを胸に、伴走型支援を実施。