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診断士に向けた熱いメッセージ

中小企業診断士に期待する

福島美由紀さん(税理士)・荒 久美子さん(社会保険労務士)・野坂真理子さん(弁護士)・橋本美樹さん(司法書士)・鳥居さくらさん(行政書士)※発言順

取材(司会)・文:平井 彩子(中小企業診断士)

【第1回】女性他士業から見た中小企業診断士

2017年3月14日更新(取材日:2016年11月7日)

中小企業診断士への期待を伺う当コーナー。今回は、女性他士業(税理士、社会保険労務士、弁護士、司法書士、行政書士※発言順)の皆さんの目に、中小企業診断士がどのように映っているかについてご紹介します。
 第1回は、中小企業診断士との協業や、その価値についてお話しいただきました。


写真左から橋本氏、鳥居氏、荒氏、平井氏、福島氏、野坂氏

中小企業診断士との協業について

平井(司会・中小企業診断士):皆さんは中小企業診断士と協業されたご経験がありますか。また、その可能性についてお聞かせください。


平井彩子氏(司会・中小企業診断士)

福島(税理士):私の税理士法人では中小企業診断士が働いており、事業計画を作成する際など、彼の得意分野で活動しています。

また当事務所は、中小企業庁が主催する創業スクール事業の実施主体として、「第二創業スクール」を開催しました。その際、私がセミナーで話すことは、利益計画や資金繰りなどの財務面と税務のことですが、中小企業診断士は経営戦略面、マーケティング面での話をしてくれます。ヒト・モノ・カネでいえば、カネの部分は税理士ですが、経営全体は中小企業診断士の得意分野になりますね。

そのほか、経営革新等支援機関に認定されてからは、補助金の申請書や経営革新計画書策定のご支援をしてきましたが、中小企業診断士のほうがポイントをよくとらえています。私どもも、数をこなしながらコツをつかんでいきましたが、やはり「事業を診る」ことは中小企業診断士の領域だと感じます。


福島美由紀氏(税理士)

荒(社会保険労務士):協業について具体的な実例はありませんが、案件の中で中小企業診断士の名前が出たり、「協業してみましょう」と話が進んだりすることはありました。人事の基礎や労務管理の観点は社会保険労務士の範囲ですが、マネジメントや営業といった単語が出てくると、やはり中小企業診断士の力が必要になるなと思うことが多いですからね。


荒 久美子氏(社会保険労務士)

野坂(弁護士):弁護士は逆に、中小企業診断士からご紹介をいただくケースが多いと思います。事業譲渡や承継の問題で、法律の知識が必要になる際にお声がけをいただくということです。中小企業の経営状態にもよりますが、予防法務としてコンプライアンスを整備するよりも、売上・利益を作るために中小企業診断士に経営のアドバイスをもらうほうが優先順位は高いと考える企業が多いですからね。


野坂真理子氏(弁護士)

中小企業診断士の価値

平井:企業が中小企業診断士を利用するのはどのような場面で、またその価値はどこにあるとお考えですか。

橋本(司法書士):私は、司法書士として法人設立に携わることがありますが、何をやりたいかがわからずに相談に来る方も稀にいらっしゃるんです。法律家ならば、どのような質問でも答えられると思っている方もいらっしゃるようですが、当然そうではありません。ですから、そのような場合は中小企業診断士を活用すべきだと思いますね。


橋本美樹氏(司法書士)

荒:そういった意味でも、企業が中小企業診断士をもっと活用して、経営の軌道修正をしたり、成長をしたりするためのツールとして、中小企業診断士に入ってもらってほしいと思うんです。

鳥居(行政書士):現時点では、中小企業診断士を活用することをぜいたくのように感じている人もいるかもしれませんね。もちろん、どのタイミングで何をしてもらえば良いのかわからないという経営者も多いでしょう。

しかし、初期段階で中小企業診断士に経営のアドバイスをしてもらっておけば、経営目標の目指すべきところに向かいやすいのではないかと思います。「あのとき、こうしておけば...」となる前に、経営の相談をしておくのは大事なことですよね。


鳥居さくら氏(行政書士)

橋本:歴史のある老舗企業が中小企業診断士を活用しているというイメージがあったのですが、実際はそういうわけでもないのですね。

荒:そうですよね。経営コンサルタントを名乗る方はたくさんいらっしゃいますが、中小企業診断士は国家資格ですから、もっと知名度が高くても良いと思いますし、さらにニーズが生まれても良いはずですよね。

平井:独占業務がないゆえに、士業という枠にはまっていないことは、職域を狭めずにコンサルタントとして活動できる良い点ですが、経営者や他士業から見た際に、中小企業診断士をどのように活用すべきかがわかりにくいという課題はあるでしょうね。

(つづく)

【お役立ち情報】

【関連情報】

プロフィール

平井 彩子(ひらい さいこ)

中小企業診断士。大学卒業後、SIerにてソフトウエア開発に従事。その後、中小企業向けコンサルティング会社にて会計業務支援、資金繰り改善、事業計画策定などを経験し独立。組織づくりや業務の改善、人事評価システムの構築支援など、現場が自分たちの力で実行する仕組みづくりをモットーに支援を行っています。


福島 美由紀(ふくしま みゆき)

税理士法人福島会計所長、税理士、ファイナンシャルプランナー。1990年税理士試験合格。東京都出身。大学卒業後、大手商社経理部に就職。結婚・出産後に簿記の勉強を始め、税理士試験への合格を果たす。
税理士法人福島会計


荒 久美子(あら くみこ)

日比谷ステーション社労士事務所代表。早稲田大学卒業後、大手電力会社にて営業や社員教育に携わる。社会保険労務士資格を取得後、都内社会保険労務士法人に勤務。現在は都内の中小企業を中心に、労務管理、労使トラブルの解決、社会保険事務等に携わる。保有資格:特定社会保険労務士、AFP、第II種電気工事士等。
日比谷ステーション社労士事務所


野坂 真理子(のさか まりこ)

弁護士、湊総合法律事務所所属。中小企業の顧問業務・企業法務を主たる業務とするほか、女性起業家コミュニティ等を通じ、女性の労務問題や離婚相談等の家事事件にも多くかかわる。日本経済新聞、雑誌『企業実務』(エヌ・ジェイ出版販売)ほか執筆多数。単なる法律問題の解決にとどまらず、個々の企業やクライアントのパートナーとして、きめ細やかなサポートを行うことを理念とする。
湊総合法律事務所


橋本 美樹(はしもと みき)

司法書士、橋本司法書士事務所所長。大学卒業後、信用金庫にて勤務。平成19年、東京都千代田区内神田にて司法書士事務所を開業。以来、個人・法人のお客様の登記・相続・成年後見等を多数受任。現在は、1人でも多くの皆様に司法書士が身近で相談して良かったと思われるよう、「わかりやすく、笑顔で、親身に」をモットーに日々業務にあたる。


鳥居 さくら(とりい さくら)

行政書士、アルバ国際行政書士事務所代表。都市計画・まちづくりコンサルタント会社、環境系の非営利団体での勤務を通じて、企業⇔行政⇔市民をつなぐためには、法律知識が重要であると痛感し、行政書士を目指す。試験合格後、都内の行政書士事務所勤務を経て、平成26年独立開業。建設業許可にかかる許認可関係と外国人の在留資格を中心に企業様をサポートしている。
アルバ国際行政書士事務所