女性起業家応援ページ

一億総活躍社会が叫ばれ、女性の活躍が期待される昨今。自分の特技を活かした起業や、社会的ニーズや課題を解決するために、起業をする女性も増えています。本ページでは、起業のきっかけや困難への対処法、今後のプランについて先輩企業家に話を聞くとともに、女性による企業支援事例などをご紹介します。

ベンチャー企業に特化したPR事業で順調なスタート
得意を活かし、ライフプランにも合う創業&経営を実践

ベンチャー企業の広報実務をよく知った上で起業した千田絵美さん。取引先は社員数30名以下が多いという。大手が取り込めない顧客層をつかみ、自身、創業1年半で4人の社員を抱える。夢は10年以内に100人規模。広島県で小学校の先生としてキャリアをスタートした女性が、大幅な進路変更、上京し起業に至るまでを語る。背景には子どもの頃から自分のライフプランを持ち続け、目標設定と行動を繰り返してきた主体性があった。

フロントステージ代表取締役・千田絵美さん
URL:http://frontstage-pr.co.jp/

目次

事業の内容について

―― 1年半前にPR会社を起業し、順調にお取引先を増やしているとお聞きしました。

お取引先はベンチャー企業が多く、独自性のある事業をしています。こうした企業の経営者は経営のプロですが、忙しすぎて、せっかく良いことをしていても発信する時間がないのです。当社がお手伝いすることで、その会社の良さを多くの方に知っていただくことができます。

「広報・PRを使って『らしさ』を引き出し、あなたの会社やサービスを“表舞台”へ…と言っています。」

幸い、これまでご紹介がご紹介を生む形でお取引が広がってきました。今、オフィスのある東京・表参道は、お取引先の多い渋谷・五反田から近く大変便利です。このオフィスも、以前の先輩の会社の一角をお借りしています。応援してくださる人に恵まれているなと思います。

起業に至るまで

―― いつ頃から「起業」を考え始めたのですか。

漠然と20歳頃からでしょうか。自分の子どもが10歳~15歳の時は一緒にいられるように、時間の融通がきく仕事をしたいと思っていました。この時期は子どもの一生を左右しますから。

私の両親が共働きだったので、自分が子どもを持ってから働き続けるのも当然と思っていました。働き方の自由度を得られる起業という方向に、子どもが10歳頃を目指して進んできた感じです。色々なタイミングがあり、少し早まりました。

―― 最初のお仕事も今の事業に関係のあるものでしたか?

それが全然違っていまして、私、もともとは小学校の先生だったんです。子どもの頃からの夢が先生だったので。

ところが、子どもは可愛くて好きなのですが、同じ時間に同じ場所に行く仕事は自分に向いていないことに気づいてしまいました…。臨時採用の3カ月を勤め上げた後、やはり、違う業界・職種に転職した方がいい、と決意しました。

―― 思い切りがいいですね。次はどんなお仕事をしたのでしょうか?

民間企業で広告営業の仕事をしました。営業は全ての仕事の基礎だし、公務員とは逆のことをやってみよう、と思いまして。

仕事は飲食店や美容院、エステ、スポーツジム等への飛び込み営業でした。楽しかったですね…。1日50軒、回ったこともあります。営業の仕事は「あなたのファンを作ること」と言われていて、実際、そうだと思いました。

ただし、自分では「2年間の期間限定」という風に決めていたんです。向いていたしやりがいも感じましたが、体力勝負なところもあり、結婚・出産して続けられる仕事ではないかな、と。

上京してベンチャーに転職

―― 次のステップに移られたのですね。何をしたのでしょうか。

営業の仕事を「卒業」したのが2005年でした。ちょうどその頃、林真理子さんの小説『コスメティック』で描かれる化粧品業界とメディアの世界に憧れを持っていました。また、ライブドアで乙部綾子さんが活躍していた時期でもあり「広報」「プレス」という職種への関心が高まっていました。

調べてみると、メディアの9割が東京にあると分かったので、それまで山口に住んでいたのですが、上京しました。

東京に来て最初の勤務先はITを活用した出前事業などを営む「夢の街創造委員会」というベンチャーでした。ちょうど大証ヘラクレスに上場する2カ月前のタイミングに入社して2年半在籍しました。とても勉強になりました。上場すると、企業の情報公開を公平にしなくてはいけないこと、日経新聞の担当記者がつくことなどを知り、広報として貴重な経験をしました。

その後、化粧品会社ドクターシーラボに5年在籍します。この間、出産で1年間休業しています。最後は、ネット系ベンチャーのブラケット(現・ストアーズ・ドット・ジェーピー)に3年間在籍して、今に至ります。

―― 東京に来てからは、ご自身、独立に向けて先を見据えながらベンチャー企業で働きながら経営を実地で学んだ…という感じでしょうか。

最後に在籍したブラケットは、そういう意識がありました。「次は起業だ」って。創業経営者の傍らで働くことで、ものすごく勉強になりました。

例えば、社員のお誕生日にみんなでケーキを食べる、といったことは、今の会社でもやっています。若い社員が多い少人数のチームだから「あなたは大切な存在です」と伝える意味は大きいです。

―― 起業後1年半で4人の社員を雇用し、取引先は紹介ベースで拡大し、順調そうですね。

いえ、まだ分からないこともあります。そもそも、自分がしばられるのも人をしばるのも苦手で、起業するまで部下を持ったことがなかったのです。

起業して初めて、採用をしました。採用のノウハウやスキルを持っていたら、良かったな、と思うことはありました。

ただし、自分で「こういう人を採用したい」という人物像は明確でした。創業間もないので、自発的に「これをやりたい」と意思を持って動ける人と一緒に働きたいです。「人に好かれる人」がいいな、とも思っていて、これは会ってすぐ、5秒くらいで分かりますね。未経験者も歓迎しているので、私と同じように元公務員の方もいます。

また、今、人手がない中で助かっているのは、総務系のお仕事を先輩の会社に外注させていただいていることです。こちらのオフィスも然り、全て自前でやらなくても、持っている資源を使わせて下さる先輩に恵まれたことは、大変幸運だと思っています。

今後の目標

―― 中期的な見通し、目標などをお聞かせいただけますか。

人手が欲しいので今年中に社員だけで10人弱、8月末までにあと3人採用したいです。3年以内に30人、10年以内に100人の規模にしていきたいと思っています。

また、やっぱり自分は教育が好きだなと思うので、将来充分な資金がたまったら、学校を作りたいです。他の人より無理なくできるPR・広報のお仕事でしっかり足元を固めていきたいと思います。